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よくある質問

2019年03月14日

先日、朝日新聞デジタルでこんな記事を目にしました。
この中に【中学入試で方程式を使うのはNGか?】という議論がなされています。
ここだけに絞って、少し 私の意見を書きたいと思います。


実はこの話、中学受験に携わる者としてはよく聞く質問です。
算数を方程式で教えてはいけないのか?」 朝日新聞デジタルのスクショ

私はこの記事にある、日能研で働いていました。
早稲田アカデミーでも教えていましたが「小学生に方程式は教えない」スタンスは、日能研と同じでした。
だからといって私は、上司や会社に言われたから「方程式を教えない」スタイルになったわけではありません。つるかめ算に限らず算数で特殊算を学んだ子どもは「なぜこの式になるのか」を深く考えます。文字式を使わない分、考えないと式が組めないのです。
その繰り返しにより、高校生になってからの数学の理解や広がりが「中学受験算数」に触れなかった子どもと違ってきます。
公式に当てはめれば答えが出る、という勉強法は必ず壁にぶつかります。理由を知らずに当てはめて計算しているだけなので(考えてない)、壁を突破できないのです…。
難しくても、柔軟な考え方ができる児童のうちに特殊算にふれ、その式の成り立ちを理解することで「考える力」を養います。


実際、中学2年の娘が連立方程式の試験勉強をしているとき、隣で同じ問題を特殊算で解きながら競争してみました。勝敗はあえて語りませんが、確かに方程式で解いた方が速いです。
そうなると、時間制限のある中学入試では「方程式が使えれば勝ったも同然」、となります。「中学受験合格」だけに焦点をあてて考えれば、「方程式で教えればいいのに」、という結論に達します。
しかし、これから幾重にも分かれた可能性を持つ子どもたちにとって受験合格だけがゴールではないので、代数化して早く答えを出すことを学ぶのではなく、そうなった過程が理解できる算数を解くことが今後の糧になると私は思います。


一方、中学受験理科では中学生で習う中和なども出題されます。
私は時として(最上位クラスのみ)、これを化学式で教えることがありました。なぜなら「成り立ち」が判ることでより深い応用問題に対処できるようになるからです。
中学受験用の暗記では、開成・麻布・灘・ラサールの難題には立ち向かえません。植物の光合成も化学式を使い説明してましたよ。
この辺りは、記事の中でサピックスが語る「教えるが、参考程度」に同調します。

理科に関して言えば、意外にも好奇心がある分、高校生より小学生の方が理解が良かったです。


中学受験はゴールではありません。
教育改革も然りですが、これからの子どもたちがどのような道を進むにしても必要となる「考える力」を、小さなころから養うことは大切だと思います。
教える内容や理解度によっても一概には言えませんが、対する生徒に配慮して適宜方法を変えながら、必要とされる指導をしようと私は考えます。

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